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2007年10月28日 (日)

ジャズ

 音とは空気の振動や塊りであり、風は空気の流れや塊りだ。振動と流れは物理的に言えば確実な違いはあるにせよ、一般の暮しの中では大層な違いがあるわけではなく、むしろ同じような存在として捉えることも、時としてはふさわしいような気がする。音とは空気の流れや塊りであり、風は空気の振動や塊りだ。

 つまり、心地良い音は心地良い風であり、心地良い風は心地良い音と言っていい。

 スウィングに身を委ねる。ビートに心を乗せる。コードに脳を捧げる。そうすることで、はぐれた欠片を拾い集め、砕けた粒を寄せ固め、散らばった真実を箱に詰める。あるいは、その工程を逆に辿る。どちらにしても、それらは僕を困惑から救い出し、焦燥など吹き飛ばし、希望を照らし出してくれる。大げさなように思えるけれど、本当のことだ。

 アーモンド、カシューナッツ、ピーナッツ、クルミ、そしてピスタチオ。それぞれが音を引き立て、風を巻き込む。ソルティードッグ、ブラッディーメアリ、モスコミュール、ジントニック、ピナ・コラーダ、そしてカルアミルク。それぞれが風を融け合わせ、音を包み込む。

 性別や年齢などなんの関係性も持たず、確かな一点で、一瞬で、一つになる。

 ピアノが弧を描く。ドラムスが宙を叩く。ウッドベースが時を弾く。たった3つのピースが、幾つもの複雑なハーモニーを生み出す。風の交差点、音の円。

 シックで、トレンディで、トラディショナルで、ポップだ。

 また、会える日まで。

 JAZZ。

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 驚くほどに、飛び交う文章。改めて読んでみると、僕のジャズに対する姿勢がなんとなく分かる。

 純粋だ。     circus

2007年10月17日 (水)

カタパルト

 「突風?」

 「いや、これは単なるそよ風に過ぎない。"とっぷう"は君が思うよりもっと、激しく、そして硬い。」

 「硬い?」

 「そうさ。こんなもんじゃあない。いずれ、分かる。」

 「でも、僕にとっては、十二分に厳しいんだけれどな」

 「厳しいには、違いない。しかしながらそれは、厳しいだけだ。決して激しくはないし、ましてや硬くもない。無論、"とっぷう"にしてみれば。」

 「随分と評価するんだね」

 「いいや、評価がどうの話じゃあない。あくまで、実質的な事実を述べているだけさ。」

 「なるほど、一応君の言う主旨は分かる。主旨は、ね」

 「それで構わない。さぁ、行こうか。」

 僕らは、旅立つ。

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 するすると、突風という言葉から始まり、さらさらと言葉を書き留めた文章。かなり、好きだ。

 ある種の、旅立ちの文章。それも、面白い。     circus

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