« 予感―予感― | トップページ | 人並み »

2007年3月22日 (木)

短篇集

靴音鳴らす散歩道の途中 ふっと下らぬこと想う

僕らの生きる世界の日々は 終わりの見えないオムニバス

物語は途切れもせず刻み込まれていく 少しずつ厚くなっていく

この小説は 救いが伸びぬ悲劇もあれば 胸を躍らす喜劇もある

でもどんな章にも 無駄な言葉は無い

またそれぞれが 別の道とか夢のようでも 奥底でほら繋がっている

結末は自ずと 出来るから僕は今日もページめくる

主人公はページをめくる僕らで

決していつもヒーローなわけじゃないけれど

次々と傑作の物語描く 誰のものでもない色褪せぬインクで

素晴らしき日々を……

靴音鳴らす散歩道の途中 ふっと大切なこと想う……

この小説は 救いが伸びぬ悲劇もあれば 胸を躍らす喜劇もある

でもどんな章にも 無駄な言葉は無い

またそれぞれが 別の道とか夢のようでも 奥底でほら繋がっている

結末は自ずと 出来るから僕は今日もページめくる

見えるまで僕はずっとページめくる

靴音鳴らす散歩道の途中 ふっと些細なこと想う

---------------------------------------------

 またしても例の如く、ある種の満足感を『予感』で得てしまったせいで、更新に恐ろしいほどの間が出来てしまった。これから少しの間は、更新頻度を急激に上げてみたいと感じている。

 この詩は、試行錯誤の結果生まれた、いわばカオスの産物である。この詩を書く際に決めていたテーマはあれど、表現の仕方が二転三転し、なおかつ詩によって曲の構成を変えてまで、この状態にたどり着いた。

 書いている間にずっと、僕は自分の人生と、ある人のことを想っていた。ある人とは、特定の一人のようでもあれば、あるいは数人のようでもあった。でもとにかく、その時に想っていたある人は僕の短篇集のページに、なんとしてでも刻み込みたい、そういう人だ。

 僕はペンを持っている。僕はページをめくり、言葉を記す手も持っている。そして何よりも肝心な短篇集は、もとより僕に備わっている。僕はページをめくる。

 今、新たな短篇の序章を、僕は書き出している。それこそ、色褪せぬことなど無いインクで。もしかしたら苦痛の言葉を書き記さねばならないかもしれないし、あるいは喜びと笑いに満ちた言葉を並べることが出来るかもしれない。ただ言えることは、僕は手を止めることはないということだ。たとえそれが、休息の期間であるにせよ、僕はその休息を言葉や抽象において残していく。ページをめくっていく。

 その中で、たくさんの夢と、いくつかの道と、わずかながらも許しあえる人と、僕は表層だけでなく奥底で繋がっていられたら、と想う。そしてその繋がりを記せたら、と想う。

 主人公は紛れもなく、僕だ。でも主人公は中心にいるだけでは、ない。主人公は海の底よりも深く沈んだ位置につくこともあれば、山よりも高い位置にいることもあるだろう。円周の外で中心を見つめることも、運良く中心で周りから支えられることもあるだろう。それでいい。僕は多くの繋がりの中に、確固たる自分自身において身を委ねられたら、それでいい。

 これは逃げの手段ではない。流れに身を委ねるというのは、逃げることにおいては成立たないからだ。僕は僕として、様々な領域に足を踏み入れ、様々な環境に留まろうとし、様々な感情の下で大切なことを見出さねばならない。

 終わりの見えない短篇集にも、終わりはやってくる。結末が見えるまでの時間は、少ないだろう。僕の場合は、たぶん長くない。それを自分が至福と思える結末に出来るかどうかは、やはり僕にかかっている。分かっている。

 だからこそ、この詩を書き上げた。僕だけでなく、僕の周りにいる人々のために。靴音鳴らす、散歩道の途中で。     circus

« 予感―予感― | トップページ | 人並み »

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/79458/5774993

この記事へのトラックバック一覧です: 短篇集:

« 予感―予感― | トップページ | 人並み »