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2007年2月 3日 (土)

予感―Aにとって―

 ……え? ……明日? 明日はダメだよ……、だって、ほらあれがあるからさ……、ん?あれって言えばあれだよ、……うん……、前から言ってあったじゃあないか、ちょっと用事があるからって……、仕事みたいなものだよ、……そう仕事、……いや日曜日だってもちろん忙しかったりするさ……、あれ? 明日って日曜日だったかい? ……そうか……、いや、なにね、最近あんまり忙しいものだからさ……、曜日の感覚がまるっきりなくなっちゃってね、……うん、そう…………

 ―あぁ、面倒くさいなぁ、煩いんだよなぁ、ほんとに。なんだって、こんなにオレに付きまとうかなぁ、ただの遊びだっていうのに、なんだかマジになっちゃって。疲れるなぁ、明日の日曜日くらい好きにさせてくれってんだよ、まったく。そんなに時間が余ってるのかね、羨ましいもんだ、分けて欲しいくらいだね。毎度毎度、休みの前になるとこんな風でさ、もうなんだかなぁ、休みはゆっくりしたいんだよ―

 ……あぁ、ごめんごめん、聞いてる、聞いてるよ、……うん、そりゃあそうだよ、誰だって休みの日にわざわざなんて、……そう、わかる? しょうがないんだよ、ね……、ところで、君のほうは最近どう? ……いや、まった、まった! 違うよ! ……なに、分かってくれたんじゃなかったの? ……だから違うってば! どうしてそういうことになるかなぁ……、僕だって大変なんだよ、本当にいろいろとさ……、胃だってほら、ずうっとチクチク痛んでいるし、……無論だよ、今だって君を思うと……、いや、君が悪いんじゃなくて、君を悩ませてしまっている僕自身にね、……あぁ、大丈夫、大丈夫だよ、心配しないで、……うん、ありがとう、それで君のほうは…………

 ―悪い娘じゃないんだよ、別に。家に来れば、料理だって上手いし、掃除も気が利くし、洗濯もきちんとそろえて干すし、あっちの方だってもちろんね。そういう意味では、悪い娘じゃないよ。でもなんか重いんだよなぁ、将来とか結婚とか、そんなの言われたってねぇ、無理無理。いくらなんだって、縛られたくなんかないよ、もっと綺麗なコならまだしも。いや、見た目でどうこうってんじゃないけど、遊びがマジにはならないよねぇ―

 ……うん、そりゃあ僕だって寂しいさ、でもやっぱりほら……、人間ってのはもともとどこか孤独な生き物だろう? だからきっと自然に、……そう、慣れてくるもんじゃないかな……、いや、何も慣れるのが良いとは言ってないよ、ただ慣れることもある意味で必要悪ってことでさ……、うん? ……だからそういう訳じゃないったら……、僕だって寂しいもんだってさっき言ったろう? そういうことなんだよ……、僕だって君と同じ気持ちさ、辛いもんだよ……、まぁ、そうは言っても口では何とでも言えるからね、君に信じてもらえなくても、普段の僕が悪いってことなんだろうけれどね、……そう……信じてくれるかい、……良かった……、人間、相手が信じられなくなったら、まさに終わりだからね……本当に良かったよ……、え? ……勿論僕だって君を信じているさ! 当たり前だよ……、うん……、僕なんて君の事を、実の親以上に信じているつもりだよ、……大げさなんかじゃないさ……まして嘘なんてもんじゃない……、だって考えてもごらんよ、僕は君をこんなに…………

 ―あぁ、なんだかお腹が空いてきたな、今、何時だろう。なんだよ、もうこんな時間じゃないか、お腹も空くはずさ。暖かい味噌汁が飲みたいな、当然、豆腐とわかめの味噌汁。あとは何がいいかな。暖かい味噌汁に、きゅうりと茄子の浅漬け、鯵の塩焼きに豚肉のソテー、そしてほかほかつやつやのご飯、これだけあれば十分だな。あぁ、デザートはキンキンに冷えたオレンジシャーベットにかぎるよ―

 ……ずいぶん静かになったね……、どうしたの? そうか、もう眠たいんじゃないのかい? ……どうした、どうした……、なんで急に泣き出してるのさ! ……気にするなって言ったってそんなの出来ないよ……どうしたっていうのさ、……そう、……そうなんだ……、安心して逆に泣けてきちゃったってことか……、いやそれを聞いて僕も安心したよ、まぁ僕は泣きはしないけれどね……安心したよ、……じゃあ、そろそろ泣き止んで、ほら、落ち着いて、ゆっくり深呼吸をして……、すうう、はああ、すうう、はああ、さあもう一度、……落ち着いたかい? ……いいよ、いいよ……、誰だって泣くことはあるさ……、まして悲しみでないのなら、申し分ない…………

 ―あぁ、面倒くさいなぁ、煩いんだよなぁ、ほんとに。明日なんて、一緒にいることにならなくて、まったく助かったよ。せっかくの休みにまでこんな風だったら、たまったもんじゃないよ。もうお腹もすいたし、時間も遅いし、いい加減なんとかしないとなぁ。けど、なんか止めづらいんだよな、やっぱり、悪い娘じゃないからかな、参っちゃうよねぇ、このオレの性格。まぁ、明日はゆっくり休めるわけだけど、いい加減なぁ―

 ……それじゃあ、そろそろ……、時間もね、時間だし、……いや、そういうつもりじゃないよ、ただあんまり遅いと、君もやっぱり大変だろうと思ってさ……、ね? ……そんな……どうでもいいだなんて思っているわけが無いじゃないか……、むしろ、その逆さ、……そう、君のことを想っているからこその発言だよ……、言葉っていうものは難しいね……、聞きようによって、ニュアンスがまるで違うようになっちゃうんだな、……じゃあ、また……、何だって? 明日? ……だから、明日は…………

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 まさか、こんな会話をしようとも思わないし、こんなことを特定の人に対して思ったことは、ほとんどない。そんなことは言わなくてもわかるだろうけれど、このブログは主観も創作も混ぜて更新しているので、勘違いはされないように、明記しているに過ぎない。

 ところでこれは、かつて書いたたかだか8000文字程度にも満たない短編の一部である。ここだけを切り取ると、あまり空気としてよろしくない文章とも言えるかもしれない。

 これから今回を含め、4回に分けて総てを更新することになるのだけれど、まぁ面白いものではないと思う。人によっては、やはり気分を害することもあるのかもしれない。特に今回の更新分は。

 さて、続きはまた明日にでも。

      circus

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